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シス・カンパニー公演「近松心中物語」

作品について

秋元松代原作、蜷川幸雄演出『近松心中物語』と言えば、1979年の初演以来、上演の度に話題を呼んできた「現代演劇の伝説」です。しかし、蜷川氏自身は「現代の古典」として様式化されることを潔しとせず、その後、自身の手ですべてを一新した新演出で上演するなど、この作品に傾けた情熱が衰えることは終生ありませんでした。

常に冒険的な創作に挑み、疾走し続けた蜷川幸雄氏。そんな蜷川氏が口にされた「いのうえの近松が見たい・・・」という言葉を胸に、劇団☆新感線の”いのうえひでのり”が新たな演出で、秋元松代原作の世界に挑みます。演劇への真摯な姿勢はもちろん、その挑戦し続けた蜷川氏の情熱のバトンを胸に、いのうえひでのり演出の下、カンパニー総力で、新たな近松の世界の扉を開こうとしています。

伝説の戯曲のはじまり

もとはと言えば、「近松門左衛門の心中物と言われる作品を新たな視点から劇化したい」という東宝演劇部からの委嘱を受け、劇作家・秋元松代が執筆したのが本作です。

秋元は、近松門左衛門による世話物『冥途の飛脚』と、『ひぢりめん卯月の紅葉』、その続編『跡追心中卯月のいろあげ』の三篇を選び、大幅に構成し直して秋元独自の物語性を盛り込んで執筆したのが、この伝説の始まりでした。

もともと土俗信仰の調査に裏打ちされた民衆劇の名手であった秋元松代の特性と近松の劇世界が見事に合体。道行きの中心である男女四人だけでなく、ここには、台詞をもたない元禄の群集たちの哀感や生命力までもが織り込まれ、斬新な群像劇としての魅力が存分に盛り込まれているのです。

そして、やさしく語られる上方言葉の裏側に人間の情念のリズムが力強く波打ち、まさしく理性を超えた原始の次元から語りかけてくるのが本作の魅力です。明らかに古典の題材を扱いながら、歌舞伎でも浄瑠璃でもなく、まさしく現代の日本人を縛り付けるしがらみや社会制度との葛藤も描かれた見事な現代劇でありながら、新劇とは全く異なる手触り!

ここに、新たな演劇の伝説が始まったのです。

上演の記録

1979年2-3月帝国劇場での初演は、もちろん蜷川幸雄演出、忠兵衛(平幹二朗)、梅川(太地喜和子)、与兵衛(菅野菜保之)、お亀(市原悦子)の顔ぶれ。途中、腰痛で倒れた平幹二朗に代わり、当時無名で群衆役の一人だった本田博太郎が忠兵衛に抜擢され絶賛されたエピソードも伝説のひとつです。

その後、忠兵衛は、坂東八十助、阿部寛、梅川は、田中裕子、樋口可南子、高橋惠子、富司純子、寺島しのぶ等が演じています。

そして、この伝説にカンパニー全員で臨む

近松心中物語
Photo:KEI OGATA
日本で一番の観客動員数を誇る演出家・いのうえひでのりが、劇団☆新感線以外でプロデュース公演 演出を手がけることは、もちろん珍しくありません。

ただ、シス・カンパニー公演では、2009年上演『怪談牡丹燈籠』(作:大西信行)、2013年上演『今ひとたびの修羅』(原作:尾﨑士郎、脚本:宮本研)と、いずれも日本人の心の琴線を大きく掻き鳴らすようなクラシカルな題材をベースに、現代作家が独自の視点から再構築した戯曲に取り組んできました。

そこに、いのうえひでのり独自のダイナミズムとエンタテインメント性が融合した世界観を創り出し、その第3弾の実現を待ち望む声を多く頂戴してまいりました。
そして、今回、いよいよ、いのうえひでのり×シス・カンパニーの強力タッグ第3弾として、不朽の名作「近松心中物語」を次なる目標に選んだのも、これまでの取り組みからすれば、必然的な流れと言えるでしょう。

この企画を楽しみにしてくださっていた蜷川幸雄さんにご覧いただけないのは大変残念なことではありますが、キャスト・スタッフ一同、一丸となって、新たな伝説の扉を開こうと気持ちを新たに取り組んでいます!

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